BMW「i8」とBMWの考える新しいスポーツカーのあり方

2014/08/05
BMW「i8」のメディア向け試乗会が開催されたようだ。

この車の特徴はなんと言っても車だけではなく、関わる全てのことについて環境を意識したものになっていることだ。それは製造設備や工場も例外ではない。そこまで考えないと未来の車社会は成り立たないとBMWは考えているのだろう。ただ1社だけがこれをやっても意味は無いのだが、それを率先してやっているというか体現しているところがBMWらしい。

BMW「i8」の特徴はいくつかある。まず車体の外板材料がアルミと熱可塑性プラスティックポリマーでであること。シャーシはCFRPとアルミでできている事。パワートレインが1.5Lガソリンターボエンジンとモーターで構成されている事。駆動方式は前輪がモーター後輪がエンジンとなっており、時によってっモーターによる前輪駆動、エンジンによる後輪駆動、両方働くと4WDになること。

エンジン単体でも231psを発揮するので、ターボとは言えL当たり154psのハイチューンエンジンなのだ。この結果モーター出力と合わせてシステム出力が362psとなり、パワーウェイトレシオが4.1kg/psという数値になる。ちなみに0-100km/hは4.4秒だ。

さっそくスペックを見てみよう。

ボディー外板:thermoplastic polymers/アルミ
ボディー構造:crash-activated aluminium/CFRP
ヘッドライト:LED/オプションでレーザーヘッドライト
CD値:0.26
0-100km/h:4.4秒
燃費:2.1L/100km(47.6km/L)
駆動方式:4WD(フロントモーター/リアエンジン駆動)
トランスミッション:6AT
サイズ:全長4689mm×全幅1942mm×全高1293mm
ホイールベース:2800mm
車両重量:1490kg
乗車定員:4人
エンジン:直3DOHCターボ+モーター
総排気量:1499cc
最高出力:362ps
最大トルク:570Nm
運転モード:COMFORT mode/SPORT mode/ECO PRO mode
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン、後5リンク
タイヤホイール:前195/50R20、後215/45R20
車両本体価格:1917万円


↑ BMW「i8」のフロント画像、なんとなくM1を髣髴とさせる外観だ、低くワイドに構えていてHVのイメージを一新している、外板はアルミとthermoplastic polymersの組み合わせ、タイヤホイールは20インチを履く、空力も優秀で0.26しかない、画像はネット上から拝借



↑ BMW「i8」のリア画像、リアバンパーの黒い部分があるために強調されるリアフェンダー、少しだけレクサスLFにも似ているような印象だ、一応4座となっていて定員は4名となっている、フェンダーのラインやドア下のラインが大胆な印象を与えるがサイドの造形は比較的コンサバ路線、画像はネット上から拝借



↑ BMW「i8」のサイド&ドアオープン画像、ドアはスーパーカーのように上方へ開く、乗り降りが低くて結構大変そうな印象だがドアのおかげで開口部が広くとれる、ドライバーがほぼ車の真ん中に乗ることが分る画像だ、画像はネット上から拝借



↑ BMW「i8」のコックピット画像、この画像からはドアの開口部がカーボン模様なのが見て取れる メディアによる試乗記にはこの分厚いサイドシルが邪魔だと指摘しているものが多い、我々が感じているPHVの新しい形というよりは新しいPHVスポーツカーなのかもしれない、BMWの提唱する新しいスポーツカーの形なのだろう、4座とはなっているがこのサイドシルやシートから後席に乗り込むのは至難の業だろう、それでも4座にこだわったのはなぜだろう、画像はネット上から拝借



↑ BMW「i8」のラゲッジ画像、エンジンが収まるリアラゲッジ部分、エンジンだけ見るとミッドシップなのだ、ラゲッジはミニマムで天地が浅くゴルフバッグは積めそうに無い、これは日本のセールスを考えると痛いところだろう、エンジンサウンドはチューニングされてスポーツカーらしい音を発するという、ここは今までのスポーツカーを踏襲して人間側に歩み寄った形だ、画像はネット上から拝借




この車が買える購買層にとってはスポーツカーの免罪符になるのではなかろうか。スポーツカーはこのエコな現代において正直言って肩身の狭い時代になっている。このBMW「i8」なら堂々とこの車に乗っていることを言えるし、エコな人という印象も持たれそうだ。なんといってもBMW「i8」がレガシーなスポーツカーテイストを持っていて楽しませてくれるところも免罪符的だと思えるのだ。それを裏付けるかどうかは分らないが予約状況は好調なようで、そのバックオーダーの解消のために早くもこのBMW「i8」の生産設備を拡張するという作業に取り掛かっている。

ここでも時代が大きく移り変わりガラガラと音を立てて動いているのが実感できる。何年か後であの時BMW「i8」が出て、スポーツカーのあり方を決定付けたという事になっているのではなかろうか。トヨタのプリウスと共に歴史に名を残す車となることは間違いないと思う。


今回はこのへんで

では

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