水に流す車FCV-R

大阪オートメッセ2013で展示のあったトヨタFCV-Rの事。

まず簡単に特徴から。FCV-Rはトヨタの燃料電池車のひとつで2015年に発売目標を置いている車である。燃料電池車とは簡単に言うとタンクに充填した水素と大気から取り込んだ酸素を燃料電池で反応させる事で電気を直接取り出し、モーターを回して車を動かす仕組みだ。この燃料電池は動作した際の排出物が水のみなので、この事から燃料電池車は究極のエコカーと言われている。

今回は大阪オートメッセ2013の会場のFCV-Rブースでトヨタの説明員の方に詳しいお話をお聞きする事ができたので紹介しておく。ただし発売までに変わる事が多々あると思われるのでそのつもりで読んでいただきたい。

↑ トヨタFCV-Rのフロント部分、それにしても酷い形状をしている、ボンネットの高さなんかは一般的な車に比較して非常に高いと思うのだが燃料電池等の機器が原因なのだろうか?、画像はネット上から拝借


このFCV-Rは従来のEVやPHVの弱点を見事に克服していて利用者として困ることや不安に思う事が少なく思う。
まず航続距離だが今回のFCV-Rで約700キロある、これなら少し長めの普通の車だ。むしろさらに長い航続距離を実現できる可能性も高い。航続距離を長くできるのは利用者にとって大変なメリットだと思うし、燃料の補給間隔をも長くすることができる。

次に燃料を満タンにする時間。EVだと急速充電でも30分とか1時間とか待たないといけない。充電ステーションを一台あたり長い時間占有する事になり回転も悪い。
さらに急速充電時は電池は100%にはならない、つまり満タンにはならないのでスペック上の航続距離が出ない。これらの事は特別な状況では死活問題だ。
これに対して燃料電池車は水素を満タンに充填するのに3分で済む。これならまさに現在のガソリン車感覚だし利用者も慣れていると思うのだ。

さらに冬場EVに乗ると困るのが暖房だ、電熱式のヒーターを動かすと電気を使ってしまい電費がガクっと落ちる。トヨタの説明員の方に聞いたところによると、FCV-Rの燃料電池自体は水冷となっていて80度前後の温度に保たれるようになっているらしい。つまりその冷却水を利用してヒーターが効くようになっていると言う事だ。加えて冬場など寒い時に急速に燃料電池を温めるモードもあるという事なので、素早くヒーターも効かせる事ができるらしい。このあたりEVやPHVの実用上の弱点をかなり潰してきている。これも寒がりの人には大きな問題だ。

↑ 左から燃料電池の仕組み/燃料電池/水素ボンベ、燃料電池の仕組みはここでは説明しないが夢のような仕組みだ、ボンベ自体は金属ではないらしい、カーボンで巻いてあるようだが期待したカーボン柄ではないのが残念、画像はメーカーサイトより拝借


水素を扱うという事で安全性は気になるところだ。FCV-Rの水素ボンベは強度を出すためにカーボンで何重にもグルグル巻になっており軽量化しつつ強度を確保してあるという事だ。
一番心配な事故の際には水素タンクを自動的に減圧する仕組みが働き、タンク内の水素を大気解放する仕組みもあるとの事だ。水素タンク自体は後輪辺りに2本設置される。

↑ トヨタFCV-Rのリア部分、こちらもなんと形容したら良いのか良く分からないがへんなデザインだ、フェンダーがオーバーフェンダーになっていて面白い、このままのデザインで販売されたら絶対買わへんと思う、画像はネット上から拝借


燃料電池車に関する様々な実証実験は既に10年ほどもされていて、FCV-R自体は2015年の発売に向けて車としての製品化を行っているフェーズだそうである。車以外の使い方として、EVと同じく非常時には電源として一般家庭の電気を約1週間賄えるだけの能力がある。これはEV等にとって非常に大事なことだ。

最後にインフラの問題であるが、現在は水素ステーションは4大都市にしか設置されていない。国家プロジェクトとして車両メーカーを始めとして水素ガスを供給流通させる企業も参加している。電気の充電施設のように実用化が進むと一気に広まると予想できる。

ここまで見てくるとまるでデメリットの無い夢の車のようである。エコな車の選択肢がますます多くなってきて選ぶのに苦労する時代が来るのだろうか?


今日はこのへんで

では


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