これで見納めか、メルセデス「G63 AMG 6×6」はやっぱりデカかった

2015/05/06
先月で生産が終了となったメルセデス「G63 AMG 6×6」だが実車の展示があったので見てきた。

「G63 AMG 6×6」は想像していたよりもデカい

メルセデス「G63 AMG 6×6」は、どうせ話のネタ的な車だろうと思っていたのだが実物は存在感のある車だった。
昨年の発売開始から先月の生産終了の約1年間の間に日本でも何台かは売れたようだ。もっとも日本での販売価格は8,000万円ということなので現実離れしているのは確かだ。実際にこの車を生かすにはどのような場面で使うのだろうか。やはり話題性としてホテル等の送迎手段という事になるのだろうか。これでは非常にもったいないという印象だ。災害救助で使用するにはラグジュアリー過ぎると思う。

「G63 AMG 6×6」は想像していたよりも本格的

こうして鳴り物入りでデビューしたメルセデス「G63 AMG 6×6」ではあるが実物は見れば見るほど本格的なオフローダーだった。背が高いので地上に立って眺めるとボディーしか見えない、少しかがむと足回りが見える。少し背伸びした程度ではコックピットや上部は全く見えない。それでも画像を何枚か撮ってきたので紹介しよう。

その前に「G63 AMG 6×6」のスペックのおさらい

サイズ:全長5,875mm×全幅2,110mm×全高2,280mm
駆動方式:6輪駆動、ハブリダクション、5つのデフロック
エンジン:V8ツインターボ544ps
最低地上高:460mm
渡河深度:1,000mm
アプローチアングル:約50°
デパーチャーアングル:約45°
車重:3,850kg
タイヤホイール:PRO COMP 37×12.50R18LT XTREME MT2

「G63 AMG 6×6」のフロント画像
↑ 「G63 AMG 6×6」のフロント画像、フロントマスクはGのフロントマスクだ、尋常ではないオーバーフェンダーやタイヤでスペシャルな事がすぐ分かる、4WDでは良くある片輪だけを台に載せる展示方式で足の長さをアピールする、前輪の位置で地上から1メートルくらいの高さだ

「G63 AMG 6×6」のフロントタイヤ画像
↑ 「G63 AMG 6×6」のフロントタイヤ画像、オフローダーの間ではヘビーデューティーなタイヤとして知られるXTREME MT2を6輪に履く、サイズは37×12.50R18LTでさすがに巨大なタイヤだ、ホイールが少し特殊で周りのボルトはビートロック方式でタイヤが空転するのを防止する仕組み

「G63 AMG 6×6」のフロントハブ画像
↑ 「G63 AMG 6×6」のフロントハブ画像、ハブはハブリダクション方式となっていて地上高を稼いでいる、車の大きさから言って意外と細いホーシング、バンパー下のスキッドガードやフロア下のガードを見るとキチンと機能するガード類だ

↑ 「G63 AMG 6×6」のリア画像、6輪の車自体がダンプカー以外見たことが無いので珍しく感じる、荷台はピックアップのように屋根が無くリアゲートが付く

「G63 AMG 6×6」のリアサスペンション周り画像
↑ 「G63 AMG 6×6」のリアサスペンション周り画像、赤いスプリングや金色のダンパーのリザーブランクそれに上部の黒いエアータンクが目立つリア周り

「G63 AMG 6×6」のリアスプリングとダンパー周り画像
↑ 「G63 AMG 6×6」のリアスプリングとダンパー周り画像、ダンパーは別体のリザーブタンクを持つオーリンズ製、ダンパー本体はシルバーでシングルだが径が太い、オフローダーでオーリンズは珍しいかも、プロペラシャフトが一番後ろのホーシングまで来ているのが分かる、ラダーフレームが見えていて頑丈そうだ

「G63 AMG 6×6」の2軸目あたり画像
↑ 「G63 AMG 6×6」の2軸目あたり画像、リアサスペンションを少し角度を変えてみたところ、ホーシングの前後の位置決めは長いアームがブッシュを介してフレームに固定されている、リアサスはそれほどストロークは長くなさそうだ

「G63 AMG 6×6」のエアータンク画像
↑ 「G63 AMG 6×6」のエアータンク画像、左右で4本装備されたこのエアータンクは6輪のタイヤの空気圧を調整するモノ、車内から車を降りずに調整する事が出来る、もちろん減圧と加圧の両方が可能だ、この装備はオフローダーとしては非常に便利な装備だ、極端に空気圧を落としてもタイヤが空転しないようにホイールがビートロックとなっているのが理解できる、フレームにぶら下がったシルバーの箱は燃料タンクだろう、容量が小さいような気がするので航続距離は短いのかもしれない



こういった非常に特殊な車は間近で見ると大変面白い。ワンオフのように作られた部分が沢山あり手間が掛かっているのが良く分かる。しかしメルセデスはこうした軍用も含めたオフローダ―の製造には精通していて経験も長いので非常にソツ無くまとまっている印象だ。
「G63 AMG 6×6」は1年程度の短命に終わってしまったが、後継モデルの「G500 4x4²」が控えており、こちらはより現実的な内容となるようだ。
しかし「G63 AMG 6×6」の8,000万円という価格にはビックリする。



今回はこのへんで
では

メルセデスの背の高いクーペの弟分「GLC Coupe Concept」が登場

2015/04/21
2015年上海モーターショーでメルセデスは「GLC Coupe Concept」を発表した。「GLC Coupe Concept」はこのところ流行の兆しを見せている背の高いクーペのGLEクーペの弟分に当たる。


「GLC Coupe Concept」はよりGLEクーペよりもより洗練された外観デザイン

今回は発表になっているモデルはメルセデスの一連のGの付くシリーズの再編によりGLCというネーミングとなっている。
既に昨年発表済で生産が開始されたGLEクーペと基本的に同じ路線の車で、背の高いクーペというジャンルだ。「GLC Coupe Concept」はGLEクーペよりは多少小振りとなっており都市部でも扱いやすい大きさとなっている。
メルセデス「GLC Coupe Concept」のサイド画像
↑ メルセデス「GLC Coupe Concept」のサイド画像、GLEクーペよりはグラスエリアが狭くて全体的にスマートに見える、まさに背の高いクーペといった外観だ、一応アウトドア風味はフェンダーエクステンションや前後のバンパー下部のシルバーのガード風パーツにより表現されている、タイヤホイールは285/45R21を履くがボディーに対して少し大きく見える、画像はネット上から拝借


「GLC Coupe Concept」のスペック

現在判明しているスペックは次の通り

サイズ:全長4,730mm×全幅2,000mm×全高1,600mm
ホイールベース:2,830mm
エンジン:直噴ガソリンV6ツインターボ
最大出力:367hp
最大トルク:520Nm
ミッション:9速AT(9G-TRONIC)
駆動方式:4WD(4MATIC)
タイヤホイール:285/45R21


↑ メルセデス「GLC Coupe Concept」のフロント画像、手慣れた感じの造形、バンパー下部は開口部がF1のような形状となっている、ガード風のシルバーの装飾が付くのもGLEクーペと同じ手法だ、画像はネット上から拝借


メルセデス「GLC Coupe Concept」のフロント画像その2
↑ メルセデス「GLC Coupe Concept」のフロント画像その2、タイヤホイールが大径で車高が高いだけでボディー上部はCLSクラスのような作りだ、彩度のキャラクターラインが力強い、非常に迫力があり躍動感のあるデザイン、画像はネット上から拝借


メルセデス「GLC Coupe Concept」のリア画像
↑ メルセデス「GLC Coupe Concept」のリア画像、リアはGLEクーペとは異なり非常にアッサリした印象、ルノーメガーヌのような後部で非常に丸い、バンパー部分は非常にスポーティーな仕上げ、マフラーは左右4本出しで斜めに配列されている、リアにもガード風のシルバーの装飾が付く、画像はネット上から拝借


メルセデス「GLC Coupe Concept」のリア画像その2
↑ メルセデス「GLC Coupe Concept」のリア画像その2、こうして少し離れてリアを見るとメルセデスらしくなくどこの車か分からない、もう少しリアは角ばった方が良いだろう、車高は高いがボディー底部はフルカバーされ空力を改善している、画像はネット上から拝借



GLCクーペはより都会的、GLEクーペとも少し異なる

兄貴分のGLEと比較すると背の高いクーペには間違いないが、より都会的で洗練されている印象だ。SUV的な外観では満足しないが押し出しの強い車を求める層にはピッタリだろう。
自動車メーカー各社から背の高いセダンやクーペが出揃ってきており世界的なトレンドは間違いのないところ。日本でも受け入れられるだろうか。



今回はこのへんで
では

プジョー「308R HYbrid Concept」、新しいジャンルを切り開くのか

2015/04/17
プジョーから「308R HYbrid Concept」が発表になった。プジョーの308と言えば日本ではなかなか人気が出ないがヨーロッパではCセグメントハッチバックのベストセラーの一角を占めるモデルだ。

かなり過激なプラグインハイブリッドモデル「308R HYbrid Concept」

ハイブリッド車は日本では燃費向上モデルというイメージが強いが、ヨーロッパではまるで電気過給器のような扱いが多く、エンジンとモーターの各々の特性を補完しあう良い関係として成り立っていることが多い。システム総合出力を見るとガソリンエンジンでそのパフォーマンスを実現するよりも遥かに燃費や環境に優しいという訳だ。
今回発表された「308R HYbrid Concept」も電気過給器的なモデルだ。Cセグメントハッチバックにおいて過激なプラグインハイブリッドを確立しそうという意味では特徴的なモデルになる。またその内容も素晴らしいパフォーマンスなのだ。また開発にはプジョースポールが関与している。
「308R HYbrid Concept」のフロント画像
↑ 「308R HYbrid Concept」のフロント画像、真正面から見ると低くワイド、バンパー下の左右の開口部が大きく高性能をアピールしている、ノーマルボディーに対して80mmのワイド化がされている、フェンダーはブリスター形状だ、画像はネット上から拝借、クリックで拡大

「308R HYbrid Concept」のフロント画像その2
↑ 「308R HYbrid Concept」のフロント画像その2、ノーマルの308は近年まれに見る美しいデザインのハッチバックだがこの「308R HYbrid Concept」はその面影も無い、サイドのキャラクターラインも分からなくなってしまっている、デザインが良いとは言い辛いモディファイだ、画像はネット上から拝借、クリックで拡大


プジョー「308R HYbrid Concept」のスペック

現在発表されている情報をまとめると次のようになる。

スペック

ボディー:ノーマル比80mmワイド
最大出力:総合500hp、プラグインハイブリッドガソリン
エンジン:ガソリン1.6L4気筒、270hp
モーター:前115hp、後115hp
バッテリー:リチウムイオン3kWh
ミッション:6速
駆動方式:4WD
ブレーキ:前380mmベンチレーティッドディスク4ピストンキャリパー、後290mmディスク、回生ブレーキ
シャーシ:EMP2プラットフォーム
タイヤホイール:235/35R19
重量配分:前60%、後40%
パワーウェイトレシオ:3.1kg/hp
最高速度:250km/h(リミッター作動)
0-100km/h加速:4.0秒
CO2排出量:70g/km

4つの走行モード

「Hot Lap mode」

エンジン+モーター×2、500hp/730Nm

「Sports mode」

エンジン+後モーター、400hp/530Nm

「Road mode」

一般道路用、300hp/400Nm

「ZEV」

後モーター+場合により前モーター


「308R HYbrid Concept」のリア画像
↑ 「308R HYbrid Concept」のリア画像、リア半分はプジョー得意の塗り分けになっていてマッドブラックだ、ブルーとマッドブラックの組み合わせは初めてだ、リアのバンパーにも大きな開口部がありアグレッシブだ、タイヤホイールは235/35R19を履く、画像はネット上から拝借、、クリックで拡大


↑ 「308R HYbrid Concept」のシステム画像、モーターの事をエレクトリックマシンと表現しているのが面白い、フロントにエンジンとモーター、リアにモーターとガソリンタンク電池がある、重量配分は前60%後40%となり重心も低い、システム総合出力が500hpとは恐れ入った、パフォーマンスも超一級で0-100km/hまでわずか4秒でスーパーカー並だ、画像はネット上から拝借、クリックで拡大


「308R HYbrid Concept」の室内画像
↑ 「308R HYbrid Concept」の室内画像、室内の造形は308に準じるが豪華なスポーツシートが装備されている、形状はかなりスポーティーだが色と質感がイマイチだ、ダッシュボードの表面の仕上げが面白い、画像はネット上から拝借、クリックで拡大


↑ 「308R HYbrid Concept」の走行モード、左が「Sports Mode」で馬力表示がエンジン270hp/前モーター15hp/後モーター115hp/トルク530Nmと表示されている、右が一番過激な「Hot Lap Mode」でエンジン270hp/前モーター115hp/後モーター115hp/トルク730Nmとなっている、モード切替にこうした馬力を直接表現するのは珍しい、しかしCセグメントハッチバックとしては異例な強心臓である、画像はネット上から拝借、クリックで拡大


Cセグメントハッチバックに新時代を築くのか?

プジョー「308R HYbrid Concept」はハイブリッドかどうかは別にしてパフォーマンスだけを見るとかなり過激な内容となっていて、もし市販されればクラス最強になるのは間違いない。Cセグメントのハッチバックにおいて昔で言うホットハッチの新時代を築くのかもしれない。その実現の仕方が現代的でハイブリッドを使用してハイパフォーマンスを実現するところが昔とは異なる所だ。
今後の動きン注目したいと思う。
今回はこのへんで
では

シトロエン「Aircross Concept」はGショック風、奇抜だが完成度高い

2015/04/13
2015上海モーターショー向けにシトロエンがクロスオーバーの新たなコンセプトモデルを発表した。なんとその「Aircross Concept」はGショック風なボディーが特徴だ。


シトロエン「Aircross Concept」は3つのコンセプトを持つ

シトロエンはクロスオーバーとして「C4 Cactus」を既に製品化済だが、今回の「Aircross Concept」はその延長線上にある。そして次の3つのコンセプトを上げている。

A SINGULAR DESIGN PHILOSOPHY:力を秘めたポジティブなSUVである事

AN INVITATION TO TRAVEL:快適に旅に出かける事

TECHNOLOGICAL INTELLIGENCE:旅に出かけるにあたって乗員が快適な環境を提供する事


シトロエン「Aircross Concept」のスペック

現在分かっているスペックは次の通り。

ボディー構造:Alloy Bumps
サイズ:全長4,580mm×全幅2,100mm×全高1,730mm
ホイールベース:2,800mm
パワートレーン:プラグインハイブリッド
 ガソリンエンジン:1.6L、218bhp/275Nm
 モーター:95bhp/200Nm
EV走行可能距離(ZEV):50km
タイヤホイール:コンチネンタル275/42R22
0-100km/h:4.5秒
燃費:58.8km/L(MVEG combined)
CO2排出量:39g/km

シトロエン「Aircross Concept」の画像

それでは画像を見てみよう。
シトロエン「Aircross Concept」のフロント画像
↑ シトロエン「Aircross Concept」のフロント画像、フロントマスクは最近のシトロエンの顔つきだ、全体的に丸くて角張ったところが無いデザイン、前後左右のボディー下部にGショックのようなプロテクターが装備されるのが新鮮、画像はネット上から拝借

シトロエン「Aircross Concept」のフロント画像その2
↑ シトロエン「Aircross Concept」のフロント画像その2、最近のクロスオーバーの定石通りフェンダーアーチには黒い樹脂のフェンダーが装備される、パワートレーン自体はガソリンとモーターのプラグインハイブリッドだ、チラッと見えるフロントのブレーキは対向4ピストンだろうか、画像はネット上から拝借

シトロエン「Aircross Concept」のサイド画像
↑ シトロエン「Aircross Concept」のサイド画像、真横から見ると3ドアハッチバックのように見えるがリアドアがある、サイドの下部にあるプロテクターが特徴的だ、ドアノブの形状が面白い前後のドアに重なっている、タイヤホイールは275/42R22のコンチネンタル特性タイヤを履く、画像はネット上から拝借

シトロエン「Aircross Concept」のサイド画像ドアを開けたところ
↑ シトロエン「Aircross Concept」のサイド画像ドアを開けたところ、なんと前後のドアは観音開きとなっていて乗り降りはし易そうだ、サイドシルにボディー下部のプロテクターに合わせたへこみがあり空気の流れをコントロールしている、画像はネット上から拝借

シトロエン「Aircross Concept」のリア画像
↑ シトロエン「Aircross Concept」のリア画像、リアは凄く丸い、プラグインハイブリッドなのに左右2本出しのマフラーを備えるところが可笑しい、この部分もGショック風のプロテクター形状だ、ウェストラインから上は通常のシトロエンのような感じだ、やはりフランス車のデザインには脱帽する、画像はネット上から拝借

シトロエン「Aircross Concept」のインパネ画像
↑ シトロエン「Aircross Concept」のインパネ画像、近未来的なインパネだ、ステアリングホイールは上下がフラットな形、ステアリングホイール越しに見えるメーターはディスプレーとなっている、その横にあるディスプレーは12インチで移動が可能だ、センターコンソールも独特のデザインで丸くてスライドする、ホワイトにオレンジのアクセントが効いている、画像はネット上から拝借

シトロエン「Aircross Concept」の室内画像
↑ シトロエン「Aircross Concept」の室内画像、4シータでセンターに大きなトンネルがあるタイプ、天井は大きなグラスルーフになっている、シート形状がWRCカーのような形状でかつ色が斬新だ、このシートの頭部の部分には乗員同士がコミュニケーションできる通信装置を備える、シートベルトはどのように締めるのだろう、画像はネット上から拝借



最近のフランスのクロスオーバーは丸くてカワイイのが多い

以前にもルノーのクロスオーバーコンセプトである「KWID コンセプト」を紹介したが、フランス車のこういったセンスは抜群だ。今回のシトロエン「Aircross Concept」はさらに完成度が高く、今にも発売できそうな雰囲気なので期待が持てる。



今回はこのへんで
では

Dodge ChallengerとCharger「SRT Hellcat」、地獄の猫2台は面白いシフトノブ

2015/01/20

日本に入ってきていないダッジ


アメ車は日本に入っていないモデルが多く、特にダッジは全く入ってきていない。


ダッジはFCA(フィアットクライスラーオートモビルズ)の乗用車の1ブランドなのだが、どのようなモデルがあるのか感覚的に掴めていないとのが現状だ。なんとなくアメリカンマッスルカーというイメージがあり大排気量の大パワー車があるんだという感じだ。一番身近に感じるのがバイパーではなかろうか。時々ダッジバイパーという名前が出てきて600馬力オーバーのマッスルカーの代表みたいな車だ。


世界的パワーウォーズの流れ


ここのところ北米ではパワー競争が再燃していて一時期のように大パワーの車が続々とリリースされているのだ。それにつられてヨーロッパの自動車メーカーもパワー競争に突入しつつある。こういう動きの一方、燃費競争も激しいしEVやHVも盛んだ。全く現在の状況は読みにくい。


今回紹介するのは「Challenger SRT Hellcat」と「Charger SRT Hellcat」の2台だ。我々の世代にはチャレンジャーという名前は聞き覚えがある。若い頃のアメリカンマッスルの代表のような名前なのだ。簡単に言うとチャレンジャーが2ドアクーペ、チャージャーが4ドアのセダンだ。その中でも特別にパワフルなのが「SRT Hellcat」という猫たちなのだ。「Hellcat」というのは直訳では地獄の猫なのだが実は性悪女という意味らしい。このパワフルな車達は女なのだ。


という前置きはさておいて驚くべきスペックを見てみよう。

「SRT Hellcat」のスペック

エンジン:6.2L HEMI Hellcat V-8 スーパーチャージャー付
最高出力:707hp
最大トルク:880Nm
ミッション:6MT、8AT(パドル付)
制御:Sport/Track/Default、カスタムモード
タイヤホイール:20x9.5inch鍛造アルミホイール、P275/40ZR20 Pirelli P Zero Nero
ブレーキ:ブレンボ6POTキャリパー、390mmツーピースディスク


なんと最高出力が700hpオーバーとなっている。「SRT Hellcat」というモデルはそれこそFCAの技術の粋を集めたモデルなのだ。エンジンもさることながら、出力に見合った足回りやブレーキ、肝心な制御システムに最新の技術が投入されている。なんだか古風な内外装からは想像できないがFCAの技術をすべて詰め込んでいるように見える。ある意味これがFCAのフラッグシップスポーツカーなのだろう。では画像を見てみよう。

「Challenger SRT Hellcat」

「Challenger SRT Hellcat」のフロント画像
↑ 「Challenger SRT Hellcat」のフロント画像、外観は古き良きアメ車然としている、良く見るとえらく扁平率の小さなタイヤや大きなキャリパーを装備しているのが分かる、ボンネットは穴だらけだ、イカリングは少々古臭いがアメ車には意外と似合う、画像はネット上から拝借



「Challenger SRT Hellcat」のリア画像
↑ 「Challenger SRT Hellcat」のリア画像、こちらも超高性能を意識させないリア部分、マフラーも意外とおとなしいモノが付いている、トランクスポイラーも小さくて控えめだ、ヨーロッパの車の方向とは全く異なるアプローチで面白い、画像はネット上から拝借



「Challenger SRT Hellcat」のサイド画像
↑ 「Challenger SRT Hellcat」のサイド画像、横から見ても車高も普通だし特別な車には見えないところが凄い、しかしフロントのキャリパーは20インチのホイールに一杯な大型モノだ、こういうクーペスタイルは日本では無くなってしまった、画像はネット上から拝借


「Charger SRT Hellcat」

4ドア版の「Charger SRT Hellcat」のフロント画像
↑ 4ドア版の「Charger SRT Hellcat」のフロント画像、フロントの開口部は大きいしボンネットは穴だらけだが意外と端正なセダンで好感が持てる外観、サイドのキャラクターラインも2ドアクーペとは全く異なるので別の車と思った方が良い、画像はネット上から拝借



4ドア版の「Charger SRT Hellcat」のサイド画像
↑ 4ドア版の「Charger SRT Hellcat」のサイド画像、いかにも大きな車で高性能という雰囲気を醸し出している、ボンネットが一旦盛り上がってフロントウィンドウ部分で下がっているのが面白い、車高はそれほど低くない、画像はネット上から拝借



4ドア版の「Charger SRT Hellcat」のリア
↑ 4ドア版の「Charger SRT Hellcat」のリア画像、こちらのリアはなかなか都会的だ、この車ならサイズはともかく日常使いもできそうな大人しい外観だ、マフラーは丸型で左右2本出し、この角度からはタイヤの太さが見て取れる、画像はネット上から拝借



「SRT Hellcat」のインパネ
↑ 「SRT Hellcat」のインパネ画像、これは3ドアのChallengerのものだがほぼ共通だ、パッと見た感じは先進性はあまり無さそうなところが憎い演出だ、メーターパネルは液晶でセンターにもモニターが収まる、このモデルはATでステアリングホイールにパドルが付く、このタンカラーのシートが何とも言えないネオクラシックな味を出している、画像はネット上から拝借



ビックリの「SRT Hellcat」ATシフター

「SRT Hellcat」のATシフター
↑ 「SRT Hellcat」のATシフター画像、これが今回一番びっくりしたところ、シフトノブ自体にシフトポジションの表示がある、マニュアルシフトは左に倒してこのレバーで操作するかステアリングホイールに付いたパドルで操作する、トップエンドのアメ車の方向性が大変興味深い、画像はネット上から拝借



ネオクラシック!?

なんだか古臭いと言ったら失礼だがネオクラシックな内外装に最新の機構と装備を施した車なのだ。おそらくFCAの最新技術が存分に投入されているのだろう。
もうこうなると燃費とかを超越した存在になってしまっていると思う。でも怖いもの見たさで一度乗ってみたいと思うのだ。



今回はこのへんで
では

もはやスーパーカーとなった生産型のホンダ新型NSXを改めておさらい

2015/01/14
ホンダNSXと言えば先代の運動性能は確かに凄かった。

NSXを所有している友人がおり時々横に乗せてもらったものだ。やや大柄なボディーだが軽量なため想像以上の運動性能だった。そして乗り心地が非常にソリッドだった。個人的にはもう少し小柄だとすごく欲しいと思ったに違いないと思い出す。



↑ ホンダ新型NSXのデトロイトショーでの展示風景、完全に北米向けのNSXとなっていてボディーデメンジョンを見てもホンダも言っているようにスーパーカーレベル、生産型なので実物の完成度は高そうだ、リアウィンドウからパワートレインが見えるのが憎い演出、画像はネット上から拝借




最近ではUKでの予約が締め切られた等の話題には事欠かない。その新型NSXだが今回2015デトロイトショーにおいて生産型が展示発表がされている。これを少しまとめてみよう。

サイズ:全長4,470mm(+45mm)×全幅1,940mm(+130mm)×全高1,215mm(+45mm)、()内は旧型比
フレーム構造:スペースフレーム、アルミ/超高強度鋼、カーボンフロア
ボディー素材:アルミ、SMC
ホイールベース:2,630mm(+280mm)、()内は旧型比
トレッド:前1,655mm、後1,615mm
エンジン:V6(75度)ツインターボ、ドライサンプ
ハイブリッドシステム:3モーターハイブリッド(Sport Hybrid)、各前輪/エンジントランスミッション間
ミッション:9速DCT
駆動方式:AWD(SH-AWD:Super-Handling All-Wheel Drive)
パッケージング:Advanced Sports Package
サスペンション:アルミ製
タイヤ:ContiSportContact、前245/35ZR19、後295/30ZR20、前後違径
ホイール:前19x8.5inch、後20x11inch
ブレーキ:前6ポッド、後4ポッド、モノブロックキャリパー、カーボンセラミックディスク
制御モード:Quiet/Sport/Sport+/Track、「zero delay」
生産:オハイオ工場


新型のNSXでは「zero delay」と呼ばれるレスポンスが最重要視されたようだ。一説にはパワーは550PSとなっていて、ホンダ自身もスーパーカーと呼んでいる。動力性能やハンドリングについては大変期待の持てる内容と思われるが何処で走らせるのだろうか。



↑ ホンダ新型NSXのフロント画像、ボンネットが低くてフェンダーが高いのが印象的でスポーツカーらしい、フロントの開口部は非常に大きくて高性能を予感させる、ヘッドライトのハイトが低いのが今時な印象、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXのフロント画像その2、非常に良くまとまったシルエットを見せる、フロントの開口部も下品になっていない、リアフェンダー上部の開口部が立体的だ、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXのサイド画像、先代のNSXではリア部分が長い印象があったが新型は非常に良いまとまりだ、タイヤホイールは前245/35ZR19後295/30ZR20というサイズを履くが自然な感じだ、サイドのキャラクターラインもシンプルだが効果的だ、リアフェンダーは真横から見てもボリューム感が伝わってくる、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXのリア画像、ミッドシップなだけにリアも開口部が多い、マフラーはセンター出しとなっているようだ、その両サイドにはでかいデフューザーが付き超高速域のダウンフォースを稼ぎ出すためウィングの類は装備されない、テールライト周辺はシンプルな造形、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXのリア画像その2、真後ろから見るとキャビンとフェンダーの関係が良く分かる、非常に横幅が大きく見えるし実際大きい全幅1,940mmというのはスーパーカーサイズだ、アメリカサイズのナンバープレートが付くようになっているのが北米向けを物語っている、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXの上からの画像、全長と全幅のディメンジョンが素晴らしい、スーパーカーのディメンジョンだ、ルーフには空力のためか剛性確保のためかリブが入っている、ボンネット上部にもエアアウトレットが付いている、エンジン回りには目立ったスリットの類は見られない、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXのインパネ画像、非常に現実的なインパネとなっていてこれならほぼこのまま生産されるのではないだろうか、ステアリングは上下がフラットな形状ででかいパドルが付いている、センターコンソール上のシルバーのダイヤルが制御モードも変えれるコントローラーだろう、シフトはスイッチになっているようだ、あまり近未来的な印象は無くコンサバなスポーツカーという印象だ、画像はメーカーサイトより拝借



↑ ホンダ新型NSXのシート画像、シート形状はあまりカッコ良いものではない、センターコンソールがでかいがサイドシルはそれほどでもなさそうで乗降性は良いだろう、ミッドシップだけに室内空間は大きくないがシートの後ろに少しだけ空間がありそうだ、画像はメーカーサイトより拝借




基本コンセプトは「zero delay」、ホンダの事だから古い表現だが打てば響くという感じに仕上がっていると思う。だがこれだけ高性能な車になるとSH-AWDに頼る事が多くなるだろう。いったいどんなドライビングフィールなのだろうと思う。

画像を見るとすぐにでも発売できそうな完成度だ。一説によると販売価格は150,000ドルからスタートということだから日本円に換算すると1,800万円からということになる。内容もそうだが価格もスーパーカーとなっている。日本での発売は今のところ分からないが、個人的には発売はされるのではないかと予想する。



今回はこのへんで
では

第4の背の高いセダン、VWクロスクーペGTEコンセプト

2015/01/13
すでに背の高いクロスオーバーの時代に入った感がある今日この頃。
BMW、メルセデスボルボに続いてVWでも背の高いクロスオーバーのワールドプレミアが2015NAIAS(デトロイトショー)で行われた。


メルセデスもボルボも最初に出したBMWと基本的に同様のシルエットを持っている。しかしVWがこういったジャンルの車を作るとなんとなく堅苦しい感じがするのが非常に面白い。企業のキャラクターなのか不思議なところだ。


パワートレインはハイブリッドとなっており、3.6LのV6ガソリンエンジン(FSI)で280PS/350Nm、2モーターは前40KW/後85KWを発揮する。14.1KW/Hのリチウムイオン電池をセンタートンネルに搭載し、システム総合出力は360PSとなり0-100km/hを6.0秒で加速する実力の持ち主だ。
ボディーサイズは日本の感覚からするとかなり大柄で全長4,847mm×全幅2,030mm×全高1,736mmとなっていて7人乗りだ。2016年からの発売を予定しておりアメリカのテネシー州の工場で生産される予定だ。これはもう完全に北米マーケット向けの車だ。



↑ VWクロスクーペGTEコンセプトのワールドプレミア風景画像、フロントグリルはいつものVW流ではなく少し豪華な雰囲気、かなり大柄の車で7人乗り、リアウィンドウの傾斜角度でクーペかどうかの解釈が変わるところだ、前から見ると通常のクロスオーバー例えばトゥワレグなんかとそれほど変わらないように見える、画像はネット上から拝借



↑ VWクロスクーペGTEコンセプトのフロント画像その2、ホイールの大きさからかなり大柄な車だと分かる画像だ、クーペというよりはトゥワレグの新型と言った方が自然な感じのする外観、クーペというならリアウィンドウをもっと傾斜させないとそう見えない、自動車メーカーによって背の高いクーペやセダンの解釈がこれほど異なるのは非常に興味深い、やはりこういった遊び車でのVWのデザインは堅くて少し面白味が無いと感じる、画像はネット上から拝借



↑ VWクロスクーペGTEコンセプトのサイド画像、ホイールアーチはクロスオーバーの定番の黒い樹脂仕上げ、前後とサイドシルにガード風味のパーツが付く、サイドウィンドウの天地が浅くてキャビンが小さく見える、ボンネットは非常に分厚い印象がある、やはり背の高いセダンやクーペというよりも普通のクロスオーバーのようなシルエットだ、画像はネット上から拝借



↑ VWクロスクーペGTEコンセプトのリア画像、比較的シンプルな印象のリア部分、リアバンパーはシルバーを混ぜ込ませて目新しい作り、マフラーは左右2本だしで出口は変形した5角形となっている、やはりリアから見てもクーペという感じは受けないところがVWらしい、サイドのキャラクターラインが煩雑な印象を与える、ちなみにルーフは全面ガラスのルーフとなっているようだ、画像はネット上から拝借




これで自称も含めてクーペ形状のクロスオーバーがBMW、メルセデス、ボルボ、今回のVWと出そろった。クーペと呼んでみたりセダンと呼んでみたり様々だが、今までにないジャンルであるのは確かだ。日本でも時々BMWのX6なんかを見かけるようになってきた。自動車メーカー各社が次々とこうしたモデルを投入しクロスオーバーの一つのトレンドになりそうな予感だ。



今回はこのへんで
では

背の高いセダン、クロスオーバーの新解釈ボルボS60クロスカントリー

2015/01/08
背の高いクーペということでメルセデスの「GLE450 AMG クーペ」を紹介した。このジャンルはBMWのX6から出ていて文字通り背の高い4ドアクーペなのだ。


これをボルボが解釈すると背の高いセダンとなるようだ。ボルボではS60クロスカントリーというネーミングをしてきた。実態は4ドアのクーペ形状のボディーなので呼び方が異なるだけだ。今回の2015年デトロイトショーでプレミアされる。
メカ的には2014年のLAショーでプレミアされたV60クロスカントリーをそのまま利用しているようだ。こちらはワゴン形状ですでにある路線だった。


このジャンルはこれで世界的なトレンドになるだろうと思う。そして漠然と感じるのだがボルボがこうしたジャンルの車を出したことでクロスオーバーとセダンの垣根が低くなり、背の高いクーペというよりも背の高いセダンというのが流行りそうな気がする。今年の2015年はこの背の高いセダンのクロスオーバーがトレンドになると強く感じる。


まだ情報は少ないが画像を紹介しよう。


↑ ボルボS60クロスカントリーのフロント画像、前から見るとまんまS60だ、バンパー下にシルバーのガード風の装飾があるのが少しだけクロスオーバー風味だ、定石通りフェンダーアーチは黒い樹脂でエクステンドされている、画像はネット上から拝借



↑ 上が今回のボルボS60クロスカントリー、下がすでに発表済のV60クロスカントリー、ともにサイド画像、機構と手法はまんまV60のやり方を応用しているようだ、やっぱりワゴン形状なら見慣れてしまったのか違和感は無いがセダン形状だと少しだけ違和感がある、ちなみに車高は65mmアップとなっていて相当な嵩上げだ、画像はネット上から拝借



↑ ボルボS60クロスカントリーのリア画像、リアもS60セダンそのままの形状のようだ、マフラー形状も同じだがフロントと同じくガード風のシルバーの装飾でクロスオーバー風味を出している、搭載されるエンジンはS60に準じるようだ、また駆動方式はFFも選択できるようだ、画像はネット上から拝借




2015年はクロスオーバーがますます多様化していく年になりそうだ。背の高いセダン形状のクロスオーバーもそうだが、コンパクトクロスオーバーからも目が離せないと思う。



今回はこのへんで
では